昔についての問い合わせ
ひどく疲れた。
その問い合わせに答える自分は、過去を無償で他人に売り渡すようなもので、
そこに私の過去の名前を出したところで、いったい誰がその名前を憶えているのかと不安にもなった。
不安という言葉は適当ではないかもしれない。
やっと逃げ切って、やっと捨て去った自分の過去を、それを欲しがる人間がいて、それを何の興味もなく与えている自分が不思議だった。
私がセックスを嫌いになったのは、フェラチオが嫌いだったからだ。
男はそれで征服欲が満足するのか喜ばない男はいなかった。
因果なもので私はそれが上手かったらしい。
女だから、それを他人からされることは出来ないし、複数プレイをしたことはないから自分と他の女と、
どちらが先に男を逝かせられるかなどということを競ったこともない。
大きさは、ほどほどが良い。
あまり大き過ぎると、こちらは痛いだけで何も感じない。
昔、デカいだけが取り柄の男がいたけど二度としたいとは思わなかった。当然、私は逝かなかった。
そんなことを書きたかったワケではないのに、過去をほじくり返すと
結局、それらのことも一緒についてくる。
エゴと肉欲と写欲。
そういう世界に一度は身を置いた期間があったワケだ。
そこを通り過ぎてきたから今の自分があるのだし、その部分があったから私は病気に気付けて幸せになれたのだ。
皮肉な話だけど。
自分の過去の人脈についての問い合わせにダラダラと情報を羅列してメールを送り終えると、無性に悲しくなって涙が出てきた。
家には私一人だから嗚咽しても誰に気を遣うこともない。
一人暮らしの経験のない私は、いずれは出来るだろう一人暮らしに、もう一度憧れてみようかとも思う。
老人の一人暮らしでは色気も何もないけど、別にいいんじゃないか?
一人だけの時間を気ままに生きたい。
誰にも邪魔されず干渉されず。
健康と経済的な不安さえなければ、ずっと一人で生きていきたい。
付き合ってきた男たちを思い出すことは皆無。
好きだった男とセックスが上手かった男は別。
好きと相性は別。
いろんな意味で。
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